パブリッククラウドにはAmaonzのAWSのほか、MicrosoftのAzureや、GoogleのGCP等、様々なサービスがあります。
本サイトでは、主にAWSをテーマに情報をお届けしておりますが、
他のサービスにつきましてもピックアップしてお届けしたいと思います。
今回は、Google Cloud Platform(GCP)についてです。
AWSとGCPの二者択一といった状況で、
企業がGCPを選択する理由の一つにコストメリットが大きいというのをよく聞きます。
パブリッククラウドを利用する際、仮想サーバの利用料が全体のコストの大部分を占めますが、
その仮想サーバの利用料についてもGCPの方が安いというわけなんです。
GCPの方が仮想サーバ利用料金についてコストメリットが高いというのは具体的にはどういったことなのか?
本記事ではその調査結果をご紹介いたします。
AWSとGCPの仮想サーバー料金比較
それでは早速、
仮想サーバのコスト比較の結果をご報告します。
AWSのEC2も、GCPのGCEも、仮想サーバの料金は基本的に秒単位による従量課金制です。
また、仮想サーバを作成するリージョン(国や地域)の選択によって単価が変わるのも両者同様となります。
以下の表では、東京リージョンに固定してAWS、GCPの仮想サーバコストを比較した表となります。
AWS | GCP | |
---|---|---|
サービス | Elastic Compute Cloud(EC2) | Google Compute Engine(GCE) |
リージョン | 東京 | 東京 |
インスタンスタイプ(マシンタイプ) | m5.large | n1-standard-2 |
スペック | vCPU:2 メモリ:8GB | vCPU:2 メモリ:7.5GB |
1時間あたりの料金 | 0.124ドル | 0.122ドル |
多少GCPの方が安いものの、メモリ数もわずかに少ないことから、
1時間あたりのコストは、どちらもあまり変わらないというのが、おわかりいただけるかと思います。
GCPのサーバ利用料は継続利用割引がキモとなる
GCPには1ヶ月あたりのサーバの稼働時間によって継続利用割引というものがあります。
1ヶ月あたりの稼働時間が月の25%を越えると適用されはじめ、稼働時間によって割引率も上昇します。
その割引額は最大30%!!
しかもAWSとは違い、1年間や3年間といった長期期間のしばりもありませんし、
前払も必要ありません。
また、何か別途設定するといったことも必要なし。
何もせずとも自動的に適用される割引制度なんです。
AWSに慣れている人にとって、この割引制度はめっちゃお得に思えるものですよ。
もちろんAWSでもリザーブドインスタンスやスポットインスタンスといったGCPに負けないほどの割引制度はあります。
うまく利用すれば30%以上の割引率はたたきだせます!
ですが、どれも少なからずリスクが発生してきてしまい、このGCPの割引制度と比べると使いづらいのは否めません。
私はこの継続利用割引というものの存在が、AWSに比べてGCPの仮想サーバはコストが低いと思われる大きな理由だと考えております。
GCPはCPUやメモリの使用量をカスタマイズできる
GCPではvCPU数やメモリ数を柔軟にカスタムできます。
これによって標準のマシンタイプ(AWSでいうところのインスタンスタイプ)には無いvCPUとメモリの組み合わせでも、一定の制限はかかるものの作り出すことは可能です。
例えば、vCPU数2コア、メモリ4GBといった組み合わせはマシンタイプにはありませんがカスタムすることによって作り出すことは可能です。
これにより、余分なリソースが削減できますので、使いようによっては利用単価を下げることが可能です。
2019年2月現在、このリソース数のカスタムはAWSには無い機能です。
GCPの方が安いというのは、このリソースのカスタムというのも少なからず貢献していると思われます。
※カスタマイズの一定の制限についてはGCPの公式ドキュメントのこちらをご参照ください。
まとめ
サーバの利用単価だけを見ると、両者の差はありませんが
GCPの「継続利用割引」を考えると確かにGCPの方がサーバのコストパフォーマンスは高いと個人的には思いました。
AWSについても、どこまでのリスクを許容できるかによって、その制約範囲の中で割引を適用することは可能ですし、その割引率はGCPの継続利用割引を大きく越えることもあります。
ですが、制約範囲をキッチリと見極める手間が必要となりますので、
使いやすさはGCPの継続利用割引にはかなわないでしょう。
つまり、AWSはリスク許容度の見極めによって割引率の高い価格で利用できるのに対し、
GCPは1ヶ月の稼働率によるものの、リスク無く一定の割引を受けられるというのが特徴です。
どちらも一長一短だと思いますので、
まさに使い方を見極めて選択するというのが大事かと思います。
以上、hidesanでした!