クライアントへ見積もりを出すのは基本中の基本!
というか、見積もりを出さないと話になりませんよね。
仮に新規でAWS上にシステムを構築することになったとします。
発注者側からしてみれば、まず初めにランニングコストが気になります。
「設計によってランニングコストが多少ブレるのは承知しているから、とりあえず超概算でいいから出してくれ!」
こうなります。
これはごくごく当たり前の流れです。
とりあえず、ざっくり概算でもいいから規模感を出す必要があります。
あなただったらAWSのランニングコスト、どう出しますか?
今回は、AWSの超概算の見積もりについて私のやり方をご紹介したいと思います。
インスタンス利用料を押さえておけば、見積もりは大きくはブレない
システムを見積もる場合、超概算、概算、確定見積もりとレベル感がありますが、
このうち超概算の精度はプラスマイナス50%というのが一般的な範囲です。
そしてAWSのランニングコストの超概算を見積もる場合、インスタンス利用料を押さえておけば、大きく外すことはありません。
ここで言うインスタンス利用料とは、基本的には以下のものです。
- (EC2のインスタンスタイプの利用料+EBSの利用料)×台数
- (RDSのインスタンスタイプの利用料※)×台数
- ELBの利用料×台数
- NATGatewayの利用料×台数
※ストレージ分を含みます
企業用のシステムを構築する場合、
EC2、RDSをメインに置いたシステムがよくあるケースだと思います。
そのため、EC2、RDSの利用料を主軸に考えるということが見積もりを行う第一歩です。
注意していただきたいのは、サーバレスでシステムを作る、コンテナでシステムを作るという場合はこのケースに当てはまりませんので別の見積もり方法となります。
細々したサービスはインスタンス利用料の2割〜3割として見積もる
「EC2やRDS以外にも、S3やRoute53、CloudFrontだって使うんだ!」
「バックアップ保管料もタダではないでしょ!」
というケースは多いでしょう。
EC2の利用料にもインスタンス利用料以外にデータ転送料という料金もあります。
※EC2の料金体系については次の記事で詳しくお話ししています。
どこまで無料で使えるの?EC2の料金体型と無料・有料のボーダーライン
でも、それらの利用料は上記であげたインスタンス利用料に比べたら微々たるものです。
いっそのこと、それら細かな利用料は一つにまとめてしまうのも手です。
私がよく使うのは、細々したサービス利用料は一つにまとめてインスタンス利用料合計額の2割〜3割程度と見積もる方法をとります。
ある程度の幅が許されるのであれば、この手法によって大体は収まるのではないかと思います。
ステージング環境、開発環境も忘れずに
ここまで来ると、
「よし!見積もり完成だー!」
と、意気込んで1つの環境だけの見積もりで満足してしまいがちですが、
法人用のシステムを構築するのに1つだけの環境(本番環境)だけということはほとんどありません。
構築する環境は通常複数あるかと思います。
なぜならステージング環境、開発環境というものが必要だからです。
AWSに限らず、オンプレで構築するにしてもステージング環境、開発環境の見積もりは必要です。
見積もりを作成する場合、本番環境だけでなく、ステージング環境、開発環境も忘れずに見積もりに入れておきましょう!
AWSの公式見積もりツールもあるけども・・・
AWSでは、以下のような見積もりツールを無料で提供しております。
AWS Simple Monthly Calculator(簡易見積ツール)
このツール、確かに使いこなせればいいのですが、初心者の人にとっては結構敷居が高いかなぁと個人的には思っています。
というのもAWSの細かな部分を知ってないと、「この項目って何?」ってなるんですよね。
「エラスティックIPってなんだ?」とか、
「データ転送ってなんでこんなに項目あるんだ?」とか・・・。
AWSに慣れてない人だと、EC2だけでも色々と不明点が出てきます。
私も当初は「これって何をどう入力していいんだ・・・?」と混乱していた記憶があります。
なので、慣れていない人の場合は、上記でご説明した通り、インスタンスタイプの単価を調べ、台数かけて大枠を算出する方法がよろしいかと思います。
まとめ
AWSに慣れていない人は以下の流れでランニングコストの超概算を求めるのも一つの方法です。
- EC2、RDS、ELB、NATGatewayの台数を確認
- EC2についてはインスタンスタイプとストレージ容量を確認
- RDSについてはデータベースエンジン、ストレージ容量を確認
- それぞれの1ヶ月あたりの単価×台数を算出
- さらにその合計値に2〜3割程度をデータ通信量やバックアップ料、S3等の使用料として見積もる
- ステージング環境、開発環境が必要なら上記同様にそれぞれ算出する
上記1〜6の合計値が見積もり額(超概算)となります。
いかがでしたでしょうか?
今回はこれが正解というわけではなく、あくまでも一つの方法として記載させていただきました。
本記事をお読みいただき、少しでもハッピーな人が増えたら幸いです。
以上、hidesanでした!