Amazon EC2は、インスタンスを停止する(または作り直す)たびにパブリックIP、パブリックDNSが変わります。
EC2を立ち上げっぱなしだとお金がかかってしまうから、
作業が終わったら、次に使うまでインスタンスを停止しておくという人も多いかと思います。
そしてEC2を立ち上げるたびにパブリックIPを確認し、クライアントソフトの接続設定をやり直す・・・。
これ、面倒だと思いませんか?
今回は、EC2インスタンスの停止、さらにはEC2インスタンスの作り直しをしてもパブリックIPを固定化することができるElastic IPについてご紹介します。
Elastic IPとは?
Elastic IP(以降EIPと記載します)とは、AWS上で使えるAWSアカウントに紐づいた静的なパブリックIPアドレスです。
EIPとEC2インスタンスはそれぞれ独立しております。
そのため、EIPを取得しEC2に割り当てたあと、仮にそのEC2を停止、または終了したとしても取得したEIP自体は残ります。
EC2を停止したのであれば、再度開始すると割り当てられたEIPがまた自動的にEC2へ割当たりますし、
EC2を終了したのであれば、残ったEIPを別のEC2へ割り当て直すことも可能です。
もちろんどちらの場合もIPアドレスは変わりません。
Elastic IPにかかる料金
さて、このEIPですが、料金の仕組みはどうなっているのでしょうか?
EIPの料金設定は少々特殊な仕組みとなっておりまして、
「よくわからない!」という人も多いと思います。
整理すると以下の通りとなります。
※2019.1.18時点の東京リージョンの場合
EIP | EC2への割当て | 割り当てられたEC2の状態 | EIPの料金 |
---|---|---|---|
1つ目 | 割り当てている | 起動 | 無料 |
停止 | 0.005ドル/時間 | ||
割り当てていない | - | 0.005ドル/時間 | |
2つ目以降 | 割り当てている | 起動 | 0.005ドル/時間 |
停止 | 0.005ドル/時間 | ||
割り当てていない | - | 0.005ドル/時間 |
整理してみると分かるんですが、
1つ目のEIPに限り、EC2に割当たっている、かつEC2が起動状態の場合は無料です。
それ以外の状態の場合、EIPの料金はかかってしまいます。
※といってもEC2を立ち上げっぱなしにしておくよりは安いです。
そして注意して欲しいのが、EC2に割り当てていなくても料金がかかってしまうということです。
特に理由がなく、割り当てずに残っている場合は[アドレスの解放]を行い、EIPを削除しましょう。
EIPの料金に関する詳細は、AWSの公式ページのAmazon EC2 料金表をご確認ください。
Elastic IPには取得数に上限値があります
実はEIPは、デフォルトとして1つのVPCにつき、5つまでしか取得ができないようになっています。
ですが、必ず5つまでということではなく、
サポートページにて上限値の緩和申請を行うことで、5つ以上のEIPを取得することが可能です。
Elastic IPの取得方法
それでは実際にEIPを取得する方法をご紹介します。
(1)EC2コンソール画面を開きます
(2)左ナビゲーションペインより、[Elastic IP]をクリックします
(3)[新しいアドレスの割り当て]をクリックします
(4)”Amazon pool”を選択し、[割り当て]をクリックします
(5)Elastic IPが発行されます。
※発行は即時(数秒程度)に行われますのでご安心ください。
Elastic IPをAmazon EC2に割り当てる方法
EIPの取得が終わりましたら、EC2に割り当ててみましょう。
(1)EC2コンソール画面を開きます
(2)左ナビゲーションペインより、[Elastic IP]をクリックします
(3)割り当てたいEIPを選択し、[アクション]→[アドレスの関連付け]をクリックします
(4)”リソースタイプ”欄は”インスタンス”を選択、”インスタンス”欄は対象のEC2インスタンスを選択し、プライベートIPはEC2インスタンスのプライベートIPを選択します。
選択したら、[関連付け]をクリックします
(5)割り当てたEC2インスタンスを見ると、パブリックIPが青文字に変わります。
きちんとEIPが割り当てられていることが確認できます。
いかがでしたでしょうか?
EIPを使うことで、EC2を停止しても多少料金はかかりますが、
パブリックIPが変わってしまうということを回避することが可能です。
パブリックIPに対して独自ドメインと関連付けしている、なんてときはぜひ一度ご検討してみてくださいね。
以上、hidesanでした!