以前、こちら↓の記事でSESの概要についてお話させていただきました。
Amazon SESとは?使いどころとSNSとの違い
今回は実際にSESを使ってテストメールを送信するところまでを解説します。
そしてさらに・・!!
送信に使うメールアドレスのドメインを“お名前.com”で取得した独自ドメインを使うための設定も合わせて解説させていただきます!
★本記事では以下の目次で進めさせていただきます!!( ^ω^ )
独自ドメインによるメール送受信をするために必要な「お名前.com」の設定方法
AWSマネジメントコンソール上の設定
(1)SESマネジメントコンソール画面を開きます
(2)左メニューから[Domains]をクリックします
(3)[Verify a New Domain]をクリックします
(4)”Domain”欄への入力、および”Generate DKIM Settings”をチェックし、[Verify This Domain]をクリックします
※Domain欄には独自ドメインを入力します
※DKIMとは、”ドメインキーアイデンティファイドメール”の略称です。
簡単にいうと、SESからの送信メールに改ざん防止として署名を付与し、このメールは確かに本人から出したメールですよ、という信用を提供する仕組みです。
詳細は、AWS公式ドキュメント「Amazon SES における DKIM を使った E メールの認証」をご確認ください。
(5)以下の5つの情報が表示されますので、それぞれメモっておきます。(あとでお名前.comの設定で使用します)
- “Domain Verification Record”×1
- “DKIM Record Set”×3
- “Email Receiving Record”×1
お名前.com Navi上の設定
(1)お名前.com Naviへログインします
(2)[TOP]→[DNSレコードを設定する]をクリックします
(3)内部ドメインの一覧から対象のドメインを選択し、[次へ進む]をクリックします
(4)”DNSレコード設定を利用する”の[設定する]をクリックします
(5)”A/AAAA/CNAME/MX/NS/TXT/SRV/DS/CAAレコード”欄に、「AWSマネジメントコンソール上の設定(5)」でメモった情報をそれぞれ入力し、[追加]をクリックします
※状態欄は”有効”のままでOKです
※MXレコードについて、(5)でメモった際、Valueは最初が”10″となっていて、スペースをあけて文字列が並んでいると思います。
お名前.comに登録する際は、この”10″を”優先”欄へ入力します。
スペースをのぞき、その他の文字列は”VALUE”欄へ入力しましょう
(6)入力完了したら、”DNSレコード設定用ネームサーバー変更確認”にチェックを入れ、[確認画面へ進む]をクリックします
(7)[設定する]をクリックします
(8)次の画像のように”Verification Status”と”DKIM Status”が”verified”に変わったら設定完了です
※設定変更後、お名前.comより「ネームサーバ情報変更 完了通知」というメールが届きますが、”Verification Status”、および”DKIM Status”が”verified”に変わったのは1時間〜2時間後でした。
SESから独自ドメインメールのテスト送信をしてみよう
SESのドメイン設定が完了しましたので、メール送信テストをしてみたいと思います。
メール宛先となるメールアドレスは、あらかじめSESコンソールの左メニューの[Email Addresses]より検証を行っておいてください。
※未検証の宛先へテストメールを送りたい場合は、下記に記載している制限解除申請を行う必要があります。
(1)SESコンソールの左メニューから[Domains]をクリックし、ドメイン一覧を開きます
(2)対象のドメインを選択し、上部の[Send a Test Email]をクリックします
(3)画像のようにメールを作成し、[Send Test Email]をクリックします
※From:の宛先は検証済みのメールアドレスを入力します。
(4)メールが届きます
不特定アドレスへEメールを送るためには制限解除申請が必要
上記のようにあらかじめ検証したメールアドレスであれば、宛先(または送信元)としてそのアドレスを利用できます。
しかし、未検証のアドレスへ送信したい場合、制限解除申請というものが必要になります。
制限解除申請が受理されるには約1〜2日程度かかりますので、余裕をもったスケジュールで行いましょう。
なぜ制限解除申請が必要なの?
SESは初期状態だと”サンドボックスモード“という状態になっています。
サンドボックスモードでは以下の制限がかかっています。
- 検証済みのEmailアドレスとドメイン、そしてSESメールボックスシミュレーター間でしかメールのやり取りができない
- 24時間あたり200通までしかメール送信できない
- 1秒あたり1メッセージしかメール受信できない
このような制限がかかっているのは、不正使用や悪用の防止等が目的とされているようです。
※詳しくはこちらのAWSドキュメントをご参照ください。
この制限を解除するため、AWSへ制限解除申請をする必要があるわけなんです。
注意点として、制限解除申請はリージョン単位となります。
リージョンが異なると制限解除をしたのに、メール送信ができない!なんてことが起こりますのでご注意ください。
制限解除申請のやり方
(1)SESコンソールを開きます
(2)左メニュー[Sending Statistics]をクリックし、[Request a Sending Limit Increase]をクリックします
(3)申請フォームへ入力して[送信]をクリックします。
(4)1〜2日後にAWSより申請が受理されたとのメールが届きます。
いかがでしたでしょうか?
お名前.com等で取得した独自ドメインであっても、このようにSESへ設定してあげることで
独自ドメインメールの運用が可能になります。
メールフォームやアンケート等のWebサービスではかかせないメール送信サービスがこんなに手軽に使えるんです!
ぜひぜひSES使ってみてくださいね。
以上、hidesanでした!